ゴールデンウイークの酸ケ湯温泉旅館。この年(2004)の積雪量はほぼ平年並みか。
八甲田山域では山岳スキーが盛んである。酸ケ湯温泉へは
八甲田ロープウェイ山頂駅から特段の登攀や針路見極めの難所もなく(天候・視界がよければ)容易にすべり込むことができる。ゴールデンウイーク期間中は八甲田山東麓の田代高原(
箒場岱)から南麓の酸ヶ湯温泉までの間を北まわりでシャトルバスが運行するから、
北八甲田の
北斜面を滑るのも楽しい。
高田大岳(1,552m)の
東大斜面を
谷地温泉へ滑り降りたり、南八甲田の
乗鞍岳・赤岳方面から
猿倉温泉へ降りた場合には、JRの路線バス(
みずうみ号)で酸ケ湯へ戻れる。
写真右上端は南八甲田の主峰である
櫛ヶ峯(1,517m)。南八甲田でのスキーにはある程度の経験と万一に備える装備が求められるだろう。
櫛ヶ峯山頂から横岳を経て
城ヶ倉大橋へ下るルートは積雪期のスキーでのみ可能であると思われる。
南八甲田の山並みのふもと、写真の中央やや上側には、酸ケ湯温泉旅館と同系列の経営である
八甲田ホテルの建物群が横長に連なっているのがみえる。
「イ棟」は「いとう」ではなく「いむね」と読むらしい。酸ケ湯温泉旅館には7棟の宿泊棟があるが「イ棟」のほかは1, 2, 3, (4はなくて)5, 6, 7号館と番号が振られている。もとはイ, ロ, ハ…だったのが「イ」だけ残っているのかもしれない。
右側の建物は女性専用の「玉の湯」、背後の山頂は北八甲田の主峰である大岳(1,584m)。
イ棟2階南側中央部の「たも」の部屋。8畳に広縁付きである。テレビが置いてある床の間には陸奥らしい
掛け軸もかけてある。
ウェブなどによく写真で紹介されている書院のある床の間付き10畳+6畳の特別室はイ棟2階南東角の「しらかば」という部屋であろう。北東角の「えんじゅ」も同じ間取りになっている。これらの部屋は、もしかすると山に近すぎて大岳の展望はないのかもしれないが、酸ケ湯温泉では最上の奥座敷であろうから、ぜひいつか利用してみたいと思っている。
上の写真のイ棟2階「たも」の窓から右方向を見たところである。ちなみに上の2枚目の
写真は、この写真下中央の渡り廊下の窓から撮影したものである。
左の建物が7号館で、その右の屋根の排気棟から盛んに湯気を吐いているのが有名な千人風呂である。右端に少し見える屋根が
フロントや
ロビーのある建物、千人風呂の向こうは、旅館正面の
駐車場に面して土産物店や食堂があって観光客がひしめく建物である。
2号館~6号館は湯治棟である。右に見えているのは自炊のための炊事場。各部屋の入り口の上に電力計が設置されているのも、いかにも長期滞在に対応した湯治場らしい。
1号館にあった食品売店。2019年に訪れた時には改修工事のために閉店していた。駐車場に面した売店は観光客相手の土産物店だから、この売店が無くては長期滞在の湯治には不便だろう。とはいえ、車で30分も下れば青森市内のコンビニへ行けるのだから、自家用車の利用者にとってはあまり問題ないのかもしれない。
1号館は洋室も備えた旅館棟として改装予定だそうだ。売店は復活するのだろうか。